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義母との交換日記、始めてみたら

義母の日記に、さらりと書かれていた一文。
「最近、膝が痛くてね。長く庭にいるのが少しつらいの。」

読んだ瞬間、ちょっと戸惑いました。
「膝が痛い」なんて、日常の何気ない愚痴のようでもあるけれど、
義母にとってはきっと深い意味があるんじゃないかと感じたんです。

でも、それをどう受け取ればいいのか、少し迷いました。
「私にどうしろってことなのかな?」
「いやいや、ただのつぶやきかもしれないし…。」
そう考えながらも、その言葉が頭から離れませんでした。

気軽に声をかけるには?

義母とは、適度な距離を保っているつもりです。
お互い気を遣いすぎず、でも深入りしすぎず。
だから、あまり大げさに心配するのも義母には重たいかな、と思いました。

とはいえ、膝が痛い中で無理して庭仕事をしているかもしれない。
それを放っておくのも、ちょっと気が引ける。

「どうしたらいいんだろう?」
悩んだ末、次の日記にこう書いてみました。

「お義母さん、膝の調子は大丈夫ですか?
お庭のこと、少し手伝わせていただけたら嬉しいです。」

あくまで「手伝わせてください」という姿勢。
義母が「大丈夫よ」と言いやすい余地も残してみました。

義母からの返事

数日後に返ってきた日記には、こんな返事がありました。
「ありがとうね。でも、まだ自分でできるうちは頑張りたいと思ってるの。」

読んだ瞬間、「ああ、そう来たか」と苦笑しました。
義母らしい答えだな、と。
自分のペースを大事にしたい人だし、
私に迷惑をかけたくないと思っているのも伝わってきました。

「でも、そういう人ほど無理をしちゃうんだよな…」

だからといって、強引に手伝いを申し出るのも、義母にとっては迷惑かもしれません。
私は一息ついて考えました。
「義母が拒否感を持たない形で、果たして?」

一緒に庭に出るきっかけ

帰省して、義母に軽い感じで声をかけてみました。
「お義母さん、お庭のバラ、咲き始めました? 見てみたいんですけど、一緒にどうですか?」

義母は少し驚いたようでしたが、
「ええ、いいわよ」と笑顔で応じてくれました。

庭に出て、咲き始めたバラや整った植木を見ながら、
義母は嬉しそうに話してくれました。
「このバラね、花が咲くといつも昔のことを思い出すの。
子どもたちが小さい頃、よくここで遊んでたからね。」

「そうなんですね。素敵な思い出ですね。」と答えると、
義母は少し間を置いて、こう言いました。
「でもね、最近は長く庭にいるのがつらいときがあって。
少しずつ手を抜かなきゃいけないのかしら…と思うのよ。」

その言葉に、私は胸がぎゅっとなりました。
義母が何気なく日記に書いた「膝が痛い」という言葉の奥に、
そんな気持ちがあったのか、と気づかされたんです。

義母のペースに合わせて

「お義母さん、膝が痛いときは無理しないでくださいね。
もしよかったら、私も一緒にお手伝いさせてください。」

その場でそう声をかけると、義母は少し笑いながらこう言いました。
「あなたも忙しいでしょ?無理しなくていいのよ。」

「でも、お庭のこと、少しだけ教えていただけたら嬉しいです。
私、まだ何もわからないので、ちょっとずつでも。」

そう言うと、義母は少し考えてから、
「じゃあ、これくらいはお願いしてもいいかしらね。」
と言って、小さなスコップを渡してくれました。

その日は義母と一緒に雑草を抜いたり、土をならしたりしました。
義母は私に作業を教えながらも、少しずつペースを落として休む時間をとるようになり、
なんだかその光景がとても自然に見えました。

距離感を大事にするサポート

義母は、あくまで自分のペースを守りたい人です。
だから私も、手伝いすぎないように気をつけました。

たとえば重い植木鉢を動かすときだけ「私がやりますね」と言ってみたり、
「この花、もう少ししたら手入れが必要ですか?」と聞いてみたり。
「全部任せて」と言うのではなく、あくまで義母のリードを尊重する形です。

義母もそれに慣れてきたのか、ある日ぽつりと言いました。
「一人でやってたときより、あなたがいると少し楽しいかもね。」

その言葉を聞いたとき、私は内心ホッとしました。

日記を通じて生まれる会話

庭仕事の後、日記にこう書きました。
「お義母さんと一緒に庭で過ごせて、とても楽しかったです。
次にバラが満開になるのも楽しみにしていますね。」

数日後に返ってきた日記には、
「ありがとうね。あなたと庭で話す時間、私も楽しみになってきたわ。」
と書かれていました。

適度な距離感を保ちながら、義母と日記を通じて少しずつ言葉を交わす。
そのバランスが、私たちにはちょうど良いのかもしれません。

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